「西村先生、大阪から船に乗って、中国に行き、南下してベトナムに入って、カンボジア、タイ、スリランカ、インドに行って、日本に戻ってくる計画です。」
途上国の研究をされている西村教子先生の教授部屋を訪ね、相談に行きました。
西村先生は、たぶん、さて、この馬鹿者にどのように説明しようかと、呆れながら考えていたんだと思います。そして、次に出た言葉が。
「無理、お前、死ぬ。」だった。
「え!?」と、全く理解していない私。
「どうやって、イミグレーション通るの?」
「え、イミグレーションって何ですか?」
「・・・英語使えるの?」
「じぇっ、ジェスチャーで。」
「無理、お前、死ぬ!」
ともう一度、突き放された。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
西村先生は、馬券の山を当てるように、東アジアの地図を見て、
「ベトナムにしとき。」
「ベトナム?」
「ベトナムのハノイから、ホーチミン市の縦断する旅にしとき。」
そうして、初めての海外旅行がベトナムに決まった。
つづく。
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